「なぜお酒を飲むと酔うのか?」
「なぜ同じ量でも、平気な人とすぐに顔が赤くなる人がいるのか?」
「二日酔いは防げるのか?」
お酒を飲む人なら、一度は気になったことがあるはずです
実は「お酒に酔う」という現象は非常に複雑で、すべてが完全に解明されているわけではありません
現在、有力と考えられているのは
アルコール(エタノール)そのものの作用と、
分解過程で生じるアセトアルデヒドの作用、この2つです
アルコールそのものが脳に与える影響
アルコールは、他の栄養素と異なり消化を受けずにそのまま吸収されます
- 飲酒量の約20%は胃から
- 残り約80%は小腸上部から
- 飲酒後1〜2時間で血中濃度がピークに達します
- 脳は脂肪分で構成されている ⇒ 脳内のアルコール濃度は血中濃度よりも遅れて上昇
アルコールは脳のさまざまな部位の働きを抑制します
ただし、抑制される場所の組み合わせによって、
「興奮しているように見える状態」や「眠くなる状態」が生じます
ざっくり言うと
- 低濃度:興奮系が目立つ(明るく、快活になる)
- 高濃度:抑制系が前面に出る(静かになる)
という特徴があります
血中アルコール濃度と酔いの段階
爽快期(20〜50mg/dL)
- 気分爽快、活発
- 大脳新皮質の抑制により感情が前に出る
一緒に飲むと楽しい状態です
ほろ酔い期(50〜150mg/dL)
- 気分が大きくなる
- 集中力低下、心拍・呼吸数上昇
大脳皮質機能の一つだる理性のブレーキがさらに弱まり、
「少しなれなれしい人」になる頃です
酩酊期(150〜300mg/dL)
- ろれつが回らない
- ふらつき、吐き気
- 突拍子もない行動
小脳機能も抑制され、事故やトラブルのリスクが高まる段階です
泥酔期(300〜400mg/dL)
- 歩行困難
- 意識障害
- ブラックアウト(記憶が飛ぶ)
倒れたまま動けないと、
横紋筋融解症など重篤な合併症を起こすこともあります
昏睡期(400〜500mg/dL)
- 昏睡
- 呼吸抑制(脳幹部の機能が抑制)
- 命に関わる状態
この段階では救急搬送が必要です
もう一つの主役:アセトアルデヒド
アルコールが体内に入ると、
アルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに分解されます
さらに
アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって酢酸へ代謝されます
このALDHの働きには個人差(遺伝的体質)があり、これは遺伝子によって決定しています
アセトアルデヒドの分解能力が低いと、アセトアルデヒド濃度が上がりやすくなります
👉 お酒に強い・弱いはなぜ決まる? ~体質と遺伝子の話~
アセトアルデヒドが多いとどうなる?
- 顔面紅潮
- 動悸
- 吐き気
- 頭痛
- 強い二日酔い
アセトアルデヒドは強力な血管拡張作用を持ち、
「酔い」や「二日酔い」のつらさに大きく関与します
「酔い」と「二日酔い」は同じ?
実は、完全に同じではありません。
二日酔いの原因として考えられているものには、
- 脱水
- 軽度のアルコール離脱(イライラします)
- 低血糖
- 炎症反応
- 睡眠・体内リズムの乱れ
- アセトアルデヒドの残存
- 酒に含まれる不純物
など、複数の要因が重なって起こると考えられています。
二日酔いを予防するためにできること
現時点で最も確実なのは、やはり
総アルコール摂取量を抑えること です
飲酒量が多い状態が続くと、二日酔いだけでなく、
健康診断でγ-GTPが高いと言われることも少なくありません
👉 γ-GTPが高いと言われたらまずやること
その他の工夫としては、
- 空腹で飲まない(吸収が穏やかになる)
- 水を一緒に飲む(量を減らす効果)
- 寝る前にしっかり水分補給(脱水予防)
- 自分の体質(赤くなる・ならない)を知る
などがあります。
お酒の種類で二日酔いは変わる?
「蒸留酒は二日酔いになりにくい」
「日本酒、赤ワインは体にやさしい」
「日本酒でも、醸造アルコールを添加していない純米酒は酔わない」
など、さまざまな説があります
蒸留酒(ウイスキー・焼酎)は不純物が少ない一方、
非蒸留酒(日本酒・ワイン)は様々な栄養素を含むという側面もあります
ただし結論としては、
どのお酒でも、アルコール分を飲み過ぎれば二日酔いになる
という点に尽きます
まとめ:楽しく飲むために知っておきたいこと
- 酔いはアルコールとアセトアルデヒドの影響
- 体質によってつらさは大きく違う
- 二日酔いは複数の要因が重なって起こる
- 最大の予防策は「量を知ること」
たまの一杯を、楽しい時間にするためにも、
自分の体と上手に付き合いながら飲みたいです

心と身体の健康のために

