映画で考える「母の愛」 命の終わりに人は何を選ぶのか?

映画の余韻を楽しむ
岩場

―余命宣告を受けた母の、あまりにも大きな愛―

学生のころ、友人がレンタルしてきた一本のビデオを借りて、夜ひとりで観ました
部屋の明かりを落とし、誰にも見られないように、ただ静かに涙を流したことを今でも覚えています

1983年公開の映画
『ファミリー(原題:Who will love my children?)』
実話をもとに制作されたこの作品は、日本公開時に
「ハンカチは2枚用意してください」
というキャッチコピーが使われましたが、決して誇張ではありません

心が疲れているときにお勧めの映画です

自分の病気と、残される子どもたち

乳がんに侵され、余命が長くないことを告げられた一人の女性
彼女は10人の子どもを育てる母親でした

彼女が恐れたのは「死」そのものではありません
自分がいなくなったあと、
この子どもたちはどう生きていくのか?
それだけでした

悲嘆に暮れる暇もなく、彼女は決意します
自分が生きているうちに、子どもたちを託せる里親を見つけようと

この映画は、その過程を淡々と、しかし非常に丁寧に描いていきます

忘れられない感動と、再鑑賞の難しさ

学生時代の鑑賞から10年ほど経った頃、
「これは手元に残しておきたい映画だ」と思い、DVDを探しました

しかし日本では発売されていませんでした
こんなに良い映画なのに、なんでないの!!

当時リージョンフリーのDVDプレーヤーを使っていたこともあり、
海外のeBayで英語版DVDを購入しました(オーストラリアからの取り寄せ)
再生できるのか不安でしたが・・・

再生でしました、予想通り音声は英語のみ
内容は理解できるものの、
あのとき感じた感動は、正直なところ再現されませんでした

感動は、人生のある瞬間と強く結びつくもの
なのかもしれません

なお現在では、画質は良くありませんが、
YouTubeで複数パートに分けて視聴できるようです
(すべて確認できてはいません)

終盤に描かれる「母の愛」

終盤はややゆったりとした展開になります
しかし、登場人物一人ひとりの心情が、丁寧に描かれています

私個人の感想ですが、
これまで観た映画の中で、最も心を揺さぶられた作品
です!

この映画がこれほどまでに共感を呼ぶ理由は明確です

自分のことを後回しにして、
愛する人のために、最後まで奮闘し続ける姿

それも、自分の死を目前にしてなおです

短期的に奮闘すること自体は、誰にでもできます
しかし、奮闘し続けることは容易ではありません
体調が悪いのに、誰かのために無心で行動し続ける姿は、
ただただ、美しいです!

映画を観て心が揺さぶられるとき、
私たちは自分自身の生き方や他人との関係について考えを巡らせがちです
たとえば、自分に対する評価や他人の目の気になり方については
こちらの記事でも考察しています。
👉【自分に対する評価が気になるとき】

本能と「種の繁栄」という視点から

生物は本能的に、自分の遺伝子を残そうとします

ライオンは群れのボスになると
自分の子でない子ライオンを殺します
授乳中のメスは発情しにくいため
自分の遺伝子を残すための行動です

草食動物は
まず自分の子どもを守り
そのために群れ全体の存続を重視します
結果として、群れの子育てに参加する個体もいます

ヒトの社会でも
母子家庭に新たな父親が入った際
(多くは問題ないと信じたいですが)
ときに子どもへの虐待が起こることがあります

これは
限られた資源を、自分の遺伝子に優先的に使いたい
という本能の影響なのかもしれません

それでも「ヒトは捨てたものではない」

この映画の母親は、
ただひたすらに
自分が産んだ子どもたちを幸せにしたい
その一心で、里親探しを続けます

動物とは異なり
幸いにもこの物語では
すべての子どもに里親が見つかります

この結末を観たとき
私は素直に思いました

ヒトも、捨てたものではない

医師として、一人の人間として

医療の現場にいると
「生きる」「死ぬ」「残される」
という現実に日常的に向き合います

この映画は
命の終わりに、人は何を選ぶのか
を、静かに問いかけてきます

実際には、本当にいろいろな方がいらっしゃいます

しかしながら、もし
心を強く揺さぶられる実話映画を探しているなら
そして
「母の愛」という言葉の本当の意味を感じたいなら

映画『ファミリー(Who will love my children?)』は
間違いなく忘れられない一本になるはずです

映画に描かれる人間ドラマは、
日々の小さな出来事や人との関係にも深くつながっています。
人との関係や感情について日常視点で考えたい方はこちらもおすすめです。
👉 【良好な人間関係を築く3つの習慣】

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